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恋する

じっと見つめていると恋愛より恐ろしいものはない。これは処刑であると同時にあらゆる人間のくるしみがそこで試されているようなものだ。そとで見ているような生やさしいものではない。ここにおよそ苦痛とか快楽とかの数々をかぞえてみたら、ないものは一つもないくらいだ。


室生犀星「花桐」(『犀星王朝小品集』 岩波文庫, p. 141)

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