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2018年にメトロポリタン美術館で開催されたファッションとカトリックの展覧会。最終的に100万人を超す観客が訪れ、現在にいたるまで同美術館で最多入場者数なのだとか。当時の写真を少し残しておきます。



Christian Lacroix (French, born 1951)

WEDDING ENSEMBLE, autumn winter 2009-10 haute couture.

Ivory silk satin and tulle, ivory and gold silk-metal lace, embroidered polychrome organdy flowers, iridescent paillettes, gold metal thread, and clear crystals and seed beads.

(Maison Christian Lacroix, Paris)

 

Jean Paul Gaultier (French, born 1952)

"SURPRISE DE L'ICINE" ENSEMBLE, autumn/winter 1997-98 haute couture.

Black silk velvet, painted silk, embroidered polychrome silk and gold metal thread, polychrome crystals, and beads.

(Gaultuer, Paris)

 

House of Moschino (Italian, founded 1983)

Rossella Jardini (Italian, born 1952)

ENSEMBLE, spring/summer 2014

Black and white synthetic crepe and white cotton canvas

(Moschino)

 

(展示風景)


この作り手は、新作が成功でも失敗でも見ねばならない作家の1人。


前作までは一般に「ドキュメンタリー」に分類される作品を撮ってきた監督だけど、今回は俳優が影のように依代に立って、地中世界と生身の人間との、かかわりの記憶をさぐってゆく。地中の岩肌にこまかな光の網の目が投影され、そこへ若い女があらわれて手の影をかかげる。女はさらに森の中で樹皮に身体をさらし、洞窟にちらばる人骨の破片を手に取る。こうした、土・樹との光と影を通じた交流を重ねながら、女は自身の身体をもって地中の物語を語り直そうとする。


20世紀初頭のモダニスム映画のような世界。しかしあるところで沖縄戦の〈ガマ〉の語り部が現れ、実際に沖縄の洞穴で起きた事件を語りはじめる。女が媒介していた土と人の物語は、さらに「歴史」を組み込んで複雑さを増す…。映画言語の拡張をもくろむこういう作風には、米国流の映画分析は役に立たない。


Underground (2024) dir. Oda Kaori 小田香『アンダーグラウンド』公式サイト


サウンドデザインには感想が分かれるのでは。確かに複雑な音環境の網の目をつくるべく組み立てられているけれども、これはサウンドデザインというよりも抽象的な映画音楽。


そして無生命の岩石・自然と人間の対比を際立たせるなら、女の肢体がさらに強調される必要があった気もする。





雪国の小さな街のスケートリンク、熱心にフィギュアスケートの練習をかさねる少女とコーチの青年。吃音の少年は彼女の舞いをみてまっすぐな恋に落ち、それに目をとめたコーチの誘いで、3人でアイスダンスの試合出場をめざすことになる。 ほぼシングルイシューながら、多くの人が好感をもつはずの愛すべき掌編。



ドライブショットやキャッチボールの1ショット切り返しが示すごとく、映画としては器用さも深さも欠いているし、スケートリンク場面は確かに素敵だけど、全篇が広告写真の照明。 それを救っているのが少女のたたずまいと、吃音の少年の存在感。


忘れがたいショットはたくさんあった。控え室で少女がスケート靴の紐を結びながら、ふっと目を上げてリンクを眺めるその横顔。等々…。 この少女役の中西希亜良さんは実際にフィギュアスケート修行中で、今回が映画初出演。彼女に向かい合う池松壮亮も、少年役の越山敬達くんもいいし、これはもうキャスティングの勝利。





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