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仏教

大殿(シニョーレ)が仏教徒や坊主たちを眺めるとき、一種の不潔な、けがれた獣でも見るような顔つきをしたが、そんな折、彼の口からきまってとびだすのは、「あいつらの知識は全くの空念仏にすぎぬ。何ものも動かすことができぬのだ。私に必要なのは、その知識が真実であって、それによって、実際に物事を動かしうるような知識なのだ」という言葉だった。


辻邦生『安土往還記』新潮文庫, p. 185.

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