琳派
- Jay
- 2015年10月31日
- 読了時間: 1分
更新日:2019年12月3日
「舞楽図」を見ていると、宗達が桃山時代の金碧障屛画のような豪奢とは別なところに発見した豪奢というものが響いてくる。「舞楽図」の単純化された豪奢は、まさに飛切りの豪奢である。ここには衰弱した趣味もなければ、貧血症状もなく、成金の多血質もなければ、禅坊主のドグマもなく …要するにもっとも均衡のとれた豪奢があって、それこそ豪奢の本質だとわれわれは気がつくのである。宗達の作品には、趣味のよすぎるもののもつ弱さがない。
三島由紀夫「俵屋宗達」(『三島由紀夫全集』第29巻, 新潮社, 2003)
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