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論理


言語はおおむね、歴史的な偶然の産物と了解するのが適切だろう。人間の基本的言語は昔から、様々な形で私たちに伝わっているが、多数が存在すること自体、言語には絶対的なところも必然的なところもないことの証だ。ギリシア語やサンスクリットのような言語が生まれたのは歴史的事実であって、論理的必要性によるものではないのとちょうど同じで、論理学と数学もまた、歴史的・偶発的な表現形式と見なすのが理にかなっている。つまり、私たちに馴染みのあるもの以外の形でも存在しうる。実際、中枢神経系とそれが伝達する通信系の特質から、それがはっきり見て取れる。

フォン・ノイマン(柴田裕之訳)『計算機と脳』(ちくま学芸文庫, 2011, p. 113)

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